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土地なしで注文住宅を建てる総額はいくら?内訳と年収別シミュレーションを4資格者が解説

この記事でわかること
- 土地なしで注文住宅を建てるときの総額の目安と、内訳4項目
- エリア別・年収別の総額シミュレーション
- つなぎ融資など「土地なし」ならではのお金の流れ
- 総額とは別に、現金で用意しておくべき金額
- 土地なしで総額を抑える5つのコツと、やりがちな失敗
土地なしで注文住宅を建てる総額は、「土地・建物本体・付帯工事・諸費用」の4つの合計で決まります。
土地を持っている人と違い、土地から探す人は、この4つをすべて一つの予算に収めなければなりません。土地の価格に引っ張られて建物や諸費用が足りなくなる、というのが土地なしで一番多い失敗です。だからこそ、最初に総額の全体像をつかんでおくことが欠かせません。
私たち株式会社アラカワは、堺市・南大阪で注文住宅、リフォーム、不動産業を行う地域工務店です。代表の荒川は元大工で、二級建築士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの資格を持っています。土地探しから住宅ローンまで、家づくりのお金を一か所で整理してきた立場から、土地なしの総額を具体的な数字で解説します。
費用の全体像は別記事「堺市で注文住宅を建てる費用と進め方」でも解説しています。この記事は、そこから「土地なし(土地から探す人)の総額」に絞って掘り下げた内容です。
1. 結論:土地なしの総額は「土地+建物+付帯+諸費用」の4点セットで考える
土地なしで注文住宅を建てるときの総額は、次の4つを足した金額です。
- 土地の購入費
- 建物本体の工事費
- 付帯工事費(地盤改良・外構・給排水など)
- 諸費用(登記・ローン手数料・仲介手数料・保険など)
土地ありの人は2〜4だけを考えればよいのに対し、土地なしの人はここに土地代がまるごと乗ります。住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によると、土地付注文住宅の所要資金は全国平均で5,007万円、平均世帯年収は669万円、年収倍率は6.9倍でした。
大切なのは、土地を先に契約しないことです。土地の金額を先に決めてしまうと、残りで建物・付帯・諸費用をやりくりすることになり、性能や間取りを削る結果になりがちです。まず総額の上限を決め、そこから4項目に配分するのが、土地なしで失敗しない順序です。
2. 土地なし注文住宅の総額の全体像(エリア別モデルケース)
まずは総額の目安を、土地価格帯の違いでつかんでください。ここでは堺市の相場をもとに、延床35坪の家を建てる前提で3つのモデルケースを示します。

| ケース | 土地(30坪) | 建物本体(35坪) | 付帯工事 | 諸費用 | 総額の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 価格重視(郊外・坪30万) | 900万円 | 2,275万円(坪65万) | 500万円 | 350万円 | 約4,025万円 |
| バランス型(坪45万) | 1,350万円 | 2,450万円(坪70万) | 500万円 | 400万円 | 約4,700万円 |
| 利便性重視(駅近・坪65万) | 1,950万円 | 2,625万円(坪75万) | 550万円 | 450万円 | 約5,575万円 |
同じ「土地なしで注文住宅」でも、土地の価格帯で総額は1,500万円ほど変わります。フラット35の土地付注文住宅の全国平均5,007万円は、ちょうどこのバランス型と利便性重視の間に位置します。
堺市は大阪市内に比べて土地価格を抑えやすいため、郊外エリアなら総額4,000万円台前半から現実的に組めます。区ごとの土地相場は別記事「堺市で注文住宅の土地探し」で詳しく解説しています。
3. 総額の内訳4項目をくわしく見る
総額の中身を知っておくと、どこを調整すれば予算に収まるかが見えてきます。
3-1. 土地の購入費
土地なしの総額を最も大きく左右するのが土地代です。エリア・駅距離・広さ・整形地かどうかで、坪単価は2〜3倍変わります。
注意したいのは、土地の「価格」だけで判断しないことです。安く見える土地でも、地盤が弱い、高低差があり擁壁が必要、前面道路が狭くセットバックが必要といった条件があると、後の付帯工事費がふくらみます。
3-2. 建物本体の工事費(総額の約半分)
建物そのものの工事費です。堺市の注文住宅では、性能を確保した建物で坪70〜90万円が目安です。延床35坪なら、坪70万円で約2,450万円になります。
各社の「本体価格」に含まれる範囲は同じではありません。空調・照明・カーテン・網戸が別途になっている見積もりもあるため、比較するときは工事範囲をそろえてください。
3-3. 付帯工事費(総額の1〜2割)
地盤改良、屋外給排水、外構、仮設工事などです。土地なしの人にとって、ここは最も想定外が起きやすい項目です。
現場を見てきた実感として、堺市の古い造成地や農地転用の土地では、地盤改良で50万〜150万円ほど追加になるケースを何度も見てきました。土地を決める前に、その土地の付帯工事がいくらかかりそうかを建築会社と確認しておくことが、総額を守る近道です。
3-4. 諸費用(総額の約1割)
登記費用、住宅ローンの事務手数料・保証料、火災保険、印紙税、そして土地なしの人に特有の「土地の仲介手数料」が含まれます。仲介手数料は土地価格の3%+6万円+税が上限で、1,350万円の土地なら約51万円です。
諸費用の一部は住宅ローンに組み込めますが、手付金や登記費用など現金で必要なものもあります。詳しくは6章で解説します。
4. 【年収別】土地なしの総額シミュレーション
総額の目安が分かっても、自分たちに払えるかは別の話です。ここでは「無理なく返せる総予算」を年収別に整理します。
返済負担率23%、金利1.8%・35年返済、自己資金300万円を前提にした概算です。
| 年収 | 月返済額の目安 | 借入額の目安 | 総予算の目安(自己資金300万込み) |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 約9.6万円 | 約2,970万円 | 約3,270万円 |
| 600万円 | 約11.5万円 | 約3,560万円 | 約3,860万円 |
| 700万円 | 約13.4万円 | 約4,150万円 | 約4,450万円 |
| 800万円 | 約15.3万円 | 約4,750万円 | 約5,050万円 |
※金利・返済期間・自己資金額で大きく変わります。表は概算です。
ここで2章のモデルケースと突き合わせてみます。土地なしの総額は郊外でも約4,025万円、バランス型で約4,700万円でした。つまり、土地なしで注文住宅を建てるなら、年収600万〜700万円台が一つの現実的なラインになります。
年収500万円台の場合は、土地価格を抑えたエリアを選ぶ、延床を控えめにする、自己資金を増やすといった調整で総額を下げる工夫が必要です。「借りられる額」ではなく「返せる額」から逆算するのが、FPとしての基本の考え方です。土地と建物の予算配分は別記事「土地と建物の予算配分で失敗しない考え方」でも詳しく解説しています。
5. 土地なしならではの「お金の流れ」とつなぎ融資
土地なしの人がつまずきやすいのが、総額そのものより「お金を払うタイミング」です。土地ありの人にはない支払いの流れがあります。

5-1. 支払いは複数回に分かれる
土地なしの場合、支払いはおおむね次の順番で発生します。
- 土地の手付金(土地契約時・現金)
- 土地の残代金(土地の決済時)
- 建物の着手金(工事契約・着工時)
- 建物の中間金(上棟時など)
- 建物の完成金(引き渡し時)
住宅ローンは原則、建物が完成して引き渡されるときに実行されます。ところが土地の決済や建物の着手金は、それより前に必要になります。
5-2. つなぎ融資・土地先行融資とは
この「ローン実行前に必要なお金」を立て替えるのが、つなぎ融資や土地先行融資です。住宅ローンが実行されるまでの間、土地代金や着工金を一時的に借り入れる仕組みです。
つなぎ融資には利息と事務手数料がかかります。金額や期間にもよりますが、数十万円程度の費用がかかることが多く、これも諸費用として見込んでおく必要があります。土地ありの人には基本的に発生しない、土地なし特有のコストです。
5-3. 金融機関によって扱いが違う
つなぎ融資を扱っていない金融機関や、土地先行での分割実行に対応する金融機関など、対応は金融機関ごとに異なります。土地なしで進めるなら、資金計画の段階で「土地と建物の支払いにどう対応できるローンか」を確認しておくことが大切です。
6. 総額とは別に「現金で用意する額」
土地なしで見落としやすいのが、住宅ローンでは払えない、現金で準備が必要なお金です。
主に現金が必要になるのは次の項目です。
- 土地の手付金(土地価格の5〜10%程度が目安)
- 印紙税、登記費用の一部
- 住宅ローンの事務手数料・保証料(ローンに含められる場合もある)
- 火災保険料
- つなぎ融資の費用
- 引越し・家具・家電費用
諸費用は総額の8〜10%が目安ですが、そのうち一部はまとまった現金で先に動きます。土地なしの場合、契約が進み始める初期の段階で、100万〜200万円程度の現金を動かせるようにしておくと安心です。
「総額は組めたのに、手付金や諸費用の現金が足りずに慌てた」というのは、SNSでもよく見かける失敗です。総額と現金は分けて計画してください。
7. 土地なしで総額を抑える5つのコツ
同じ土地なしでも、進め方しだいで総額は変わります。無理なく抑えるための現実的なコツをまとめます。
7-1. 総予算を先に決め、土地は上限を決めて探す
土地から入ると青天井になりがちです。総予算を先に固め、「土地はここまで」という上限を決めてから探すと、建物と諸費用が守られます。
7-2. 土地価格が抑えやすいエリアに広げる
駅徒歩10分以内にこだわると候補が一気に減り、価格も上がります。徒歩15分やバス便、郊外エリアまで広げると、同じ総額でも建物に予算を回せます。
7-3. 土地と建物を一つの窓口で進める
土地と建物を別々の会社で進めると、土地に予算を使いすぎて建物が削られるズレが起きます。最初から一緒に考えられる相談先だと、総額の配分を調整しながら進められます。
7-4. 付帯工事のリスクを土地選びの段階で見る
地盤改良や擁壁、狭い前面道路は、後から総額を押し上げます。土地を決める前に、建築の目線で付帯工事の見込みを確認しておくと、想定外を減らせます。
7-5. 補助金・住宅ローン減税を計画に織り込む
子育てグリーン住宅支援事業、住宅ローン減税などは、条件が合えば実質的な負担を下げられます。年度で内容が変わるため、計画段階で使える制度を確認してください。
8. 土地なしの総額でやりがちな失敗
土地なしの総額の失敗は、ほぼ同じパターンで繰り返されています。
8-1. 土地を先に契約して建物が削られる
一番多い失敗です。気に入った土地に予算を使いすぎて、建物の性能や広さを妥協することになります。総予算からの逆算を先にしてください。
8-2. 付帯工事・諸費用を総額に入れ忘れる
土地代と建物本体だけで総額を考えてしまい、付帯工事と諸費用で数百万円が後から乗るケースです。最初から4項目セットで見積もってください。
8-3. つなぎ融資や現金の準備を見落とす
総額は組めても、手付金やつなぎ融資の費用など、初期に動く現金が足りずに慌てるパターンです。総額と現金は分けて計画してください。
8-4. 100点の土地を探し続けて決まらない
完璧な土地はほぼ存在しません。総額と条件のバランスで70〜80点で決断できる人が、家づくりを前に進められます。土地探しの流れは別記事「土地探しから注文住宅を建てる流れ」も参考にしてください。
9. 土地なしから注文住宅を建てる進め方
土地なしの家づくりは、順序を間違えると総額が崩れます。おすすめの順番は次の通りです。
- 総予算を決める(年収・自己資金・将来の支出から逆算)
- 相談先を1社決める(土地と建物を一緒に考えてくれる会社)
- 土地の上限を決め、土地探しと建物の希望を並行して進める
- 候補地の地盤・法規・付帯工事の見込みを確認する
- 住宅ローンの事前審査を受け、つなぎ融資の対応も確認する
- 土地契約と建物プランを並行して進める
- 建物契約・着工・完成・引き渡し
ポイントは、土地探しと資金計画を切り離さないことです。土地・建物・ローンは一つが決まると他が動く連動した関係で、順番に一つずつ進めると後から矛盾が出ます。宅建士・建築士・FPの目線を一か所で使えると、この連動を同時に調整できます。
工務店の選び方は別記事「堺市の工務店の選び方」で解説しています。
10. 株式会社アラカワに相談できること
私たちは堺市・南大阪を拠点に、土地探し、注文住宅、リフォーム、不動産を横断して相談できる地域工務店です。
代表の荒川は元大工で、二級建築士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの資格を持っています。
- 土地探しは宅建士として、用途地域・道路付け・想定費用まで確認します
- 候補地の付帯工事は元大工・建築士の視点で、総額への影響を見極めます
- 建物プランは二級建築士として、間取り・性能・暮らしやすさを設計します
- 資金計画はFPとして、住宅ローン・つなぎ融資・現金の準備まで含めて総予算を組みます
土地なしの家づくりは、土地・建物・お金を同時に見られる相談先だと、総額の失敗を防ぎやすくなります。会社の規模は従業員10名程度で、一棟一棟丁寧に向き合うことを大切にしています。
11. 家づくり無料相談会で確認できること
相談会では、土地なしの総額に関する次のような内容を整理できます。
- 自分たちの年収と自己資金で、土地なしの総額はいくらが現実的か
- 希望エリアの土地相場と、無理のない土地の上限
- 建物・付帯・諸費用まで含めた総額の配分
- つなぎ融資を含む住宅ローンの返済プラン
- 現金で用意しておくべき金額
土地探しから具体的に進めたい方は、土地探し相談もご利用ください。相談会で何を聞けばいいか迷う方は、別記事「注文住宅の相談会で聞くべき10の質問」も参考になります。
12. よくある質問
Q1. 土地なしで注文住宅を建てる総額はいくらが目安ですか?
A. 堺市の相場で延床35坪の場合、郊外の土地で約4,000万円台前半、駅近の土地で約5,500万円が目安です。全国平均(土地付注文住宅)は約5,007万円です。土地の価格帯で1,500万円ほど変わります。
Q2. 土地なしの総額は何で構成されていますか?
A. 土地の購入費、建物本体、付帯工事費、諸費用の4つです。土地ありの人と違い、土地代がまるごと総額に乗るため、この4項目セットで最初から見積もることが大切です。
Q3. つなぎ融資とは何ですか?必ず必要ですか?
A. 住宅ローンが実行される前に必要な土地代や着工金を、一時的に借り入れる仕組みです。土地なしで、土地と建物を分けて支払う場合に必要になることが多いです。金融機関により扱いが異なるため、資金計画の段階で確認してください。
Q4. 総額とは別に、現金はいくら用意すればいいですか?
A. 土地の手付金や登記費用、つなぎ融資の費用など、初期に動く現金として100万〜200万円程度を目安に準備しておくと安心です。諸費用の一部はローンに組み込めますが、すべてではありません。
Q5. 年収500万円でも土地なしで注文住宅は建てられますか?
A. 総額3,300万円前後に収める工夫が必要です。土地価格を抑えたエリアを選ぶ、延床を控えめにする、自己資金を増やすといった調整で現実的になります。返済負担率と将来の家計を一緒に整理することをおすすめします。
Q6. 土地なしの総額を抑えるにはどうすればいいですか?
A. 総予算を先に決めて土地の上限を設定する、土地価格が抑えやすいエリアに広げる、土地と建物を一つの窓口で進める、付帯工事のリスクを土地選びの段階で見る、の4点が効果的です。土地を先に契約しないことが最大のポイントです。
13. まとめ
土地なしで注文住宅を建てる総額は、「土地+建物本体+付帯工事+諸費用」の4つの合計で決まります。
- 堺市の相場で35坪なら、総額は約4,000万〜5,500万円が目安(土地の価格帯で変動)
- 無理なく組めるのは年収600万〜700万円台が一つのライン
- つなぎ融資など、土地なし特有のお金の流れと費用がある
- 総額とは別に、現金で100万〜200万円程度を準備しておく
- 土地を先に契約せず、総予算から逆算して4項目に配分する
費用の全体像は「堺市で注文住宅を建てる費用と進め方」、予算配分は「土地と建物の予算配分で失敗しない考え方」も合わせてご覧ください。
土地なしから注文住宅を具体的に進めたい方は、株式会社アラカワの家づくり無料相談会・土地探し相談をご利用ください。総額の内訳から現金の準備まで、4資格を持つ代表が一緒に整理します。

監修者
荒川孝行(株式会社アラカワ 代表取締役)
- 保有資格: 二級建築士/宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー
- 経歴: 元大工。注文住宅・リフォーム・不動産を一貫して手がける地域工務店代表
- 得意分野: 土地探し・住宅ローン・資金計画・間取り設計の横断相談









