COLUMN コラム

なんとなく採用すると後悔する間取り

2026.05.19

― 向いている家・向いていない家 ―

堺市の工務店で注文住宅を建てているアラカワホームデザインです。

家づくりの打ち合わせで、ここ数年ほぼ必ず話題にあがるのが
「回遊動線(かいゆうどうせん)」です。

「家事がラクになるって聞いた」
「行き止まりがなくて便利そう」
「SNSでよく見るから採用したい」

そんな声がある一方で、
実際に住んでから「思っていたほど使わなかった」
という声があるのも事実です。

回遊動線は、
誰にとっても正解の間取りではありません。

今回は、
✔ 回遊動線の基本
✔ メリット・デメリット
✔ 向いている家・向いていない家
✔ 後悔しないための考え方

をわかりやすく解説します。


そもそも「回遊動線」とは?

回遊動線とは、
部屋や空間をぐるっと一周できる間取りのこと。

代表的なのは
・キッチン ⇄ パントリー ⇄ 洗面 ⇄ 廊下 ⇄ リビング
・玄関 ⇄ シューズクローク ⇄ ファミリークローゼット ⇄ 洗面

など、「行き止まりがない動線」です。


回遊動線のメリット

① 家事動線が短くなる

洗濯・料理・片付けなど、
家の中を行ったり来たりする距離が減るのが最大のメリット。

特に
✔ 共働き
✔ 子育て世帯

では、家事の時短につながりやすい間取りです。


② 混雑しにくい

朝の準備時間など、
家族の動きが重なる時間帯でも
人と人がぶつかりにくいのが特徴。

・洗面が渋滞しない
・キッチンで人がすれ違いやすい

といった点は、ストレス軽減につながります。


③ 開放感が出やすい

壁や行き止まりが少ないため、
視線が抜けて広く感じやすいのもメリット。

間取り次第では、
実際の畳数以上に開放感を感じられます。


回遊動線のデメリット

① 面積が必要

回遊動線をつくるには、
廊下や通路分の面積が必要です。

敷地や延床面積に余裕がない場合、
・居室が狭くなる
・収納が減る

といった影響が出ることも。


② 収納が減りやすい

通り道が増える=壁が減るため、
収納を配置しにくくなるケースがあります。

「動線は良いけど、物が片付かない」
という後悔につながることも少なくありません。


③ 使われない動線になることも

間取り図では便利そうでも、
実際の生活では
一方向しか使わないこともあります。

結果的に
「ただの無駄な通路だった」
と感じるケースも。


回遊動線が向いている家

✔ 共働き・家事分担している家庭

同時に複数人が動く家庭では、
回遊動線のメリットを感じやすいです。


✔ 洗濯・料理の動線を重視したい人

洗う → 干す → しまう
調理 → 配膳 → 片付け

この流れが短くなると、
日々の家事ストレスが大きく減ります。


✔ 30坪以上で間取りに余裕がある家

延床面積にある程度余裕があれば、
回遊動線を入れても
他の空間を圧迫しにくくなります。


回遊動線が向いていない家

✔ コンパクトな家・狭小地

限られた面積の中では、
回遊動線より
シンプルで一直線の動線の方が
使いやすいことも多いです。


✔ 収納量を最優先したい家

収納をたっぷり取りたい場合、
回遊動線が逆にデメリットになることも。


✔ 生活動線がシンプルな家庭

・家事は一人で行う
・在宅時間がずれている

この場合、回遊動線の恩恵は小さくなります。


後悔しないための考え方

「回遊動線ありき」で考えない

大切なのは
回れることではなく
ラクになること

「何のために回遊するのか?」
を明確にすることが重要です。


家族の1日の動きを書き出す

・朝の動き
・帰宅後の動き
・休日の過ごし方

これを書き出すと、
本当に必要な動線が見えてきます。


回遊動線が“1ヶ所”でも十分

家全体を回遊させなくても、
✔ キッチン周りだけ
✔ 洗面〜ランドリーだけ

部分的な回遊動線でも、
暮らしやすさは大きく向上します。


まとめ|回遊動線は「手段」であって「目的」ではない

回遊動線は、
うまくハマれば非常に便利な間取りです。

しかし、
全ての家に必要なものではありません。

大切なのは、
✔ 自分たちの暮らし
✔ 家事の仕方
✔ 家の広さ

に合っているかどうか。

「流行っているから」ではなく、
“自分たちがラクになるか”を基準に選ぶことで、
後悔のない家づくりにつながります。

まずはお気軽にLINE登録からお願いします。

監修者

荒川孝行 / 株式会社アラカワ 代表取締役

大工である父に憧れ、2013年に株式会社アラカワを設立。
「自分たちが暮らしたいと想える家をつくること」を信念に住まいづくりに取り組む。
つくり手自身が心から満足できる家でなければ、お客様を本当に満足させることはできないという想いを大切にし、 一棟一棟丁寧に向き合い家族の笑顔があふれる住まいを提供し続けている。