COLUMN コラム
【パントリーはどこにつける?】買い物→収納→調理、最短でつながる家事動線
“便利”と“使いづらい”の分かれ道
こんばんは。
堺市の工務店で注文住宅を建てているアラカワホームデザインの吉川です。
◆はじめに:せっかくつくったのに「使いにくい」?
家づくりの打ち合わせで人気の設備ランキングに必ず入るのが、
**「パントリー(食品庫)」**です。
「たっぷり収納できる」
「まとめ買いしても安心」
「キッチンをスッキリ見せたい」
――そんな期待を持って採用されることが多い一方で、
実際に住んでから「動線が悪かった」「使わなくなった」という声も少なくありません。
なぜ“便利なはずのパントリー”が、使いづらく感じてしまうのか?
その原因は、**「位置」と「使い方の想定」**にあります。
今回は、アラカワホームデザインの設計士目線で、
パントリーを「本当に使える収納」にするための考え方と、
“便利”と“使いづらい”を分けるポイントを詳しく解説します。
◆1️⃣ パントリーとは?どんな役割のスペース?
そもそもパントリーとは、
キッチン周りの食材や日用品をストックしておく収納スペースのこと。
・缶詰、レトルト食品、調味料
・お菓子、飲料、保存容器
・非常食、キッチンペーパー、洗剤 など、
キッチン収納に入りきらないモノをまとめて保管できます。
つまり、「買い物の頻度を減らしたい」「まとめ買いをしたい」ご家庭ほど、
パントリーの恩恵を感じやすいスペースです。
◆2️⃣ パントリーの“位置”で使い勝手が変わる
パントリーの便利さは、広さではなく**“場所”で決まります。**
たとえ1帖でも、動線がスムーズなら驚くほど使いやすい。
逆に、3帖あっても出し入れが面倒なら“物置化”してしまいます。
では、実際にどんな配置があるのか見ていきましょう。
🏡【タイプ①:キッチン直結型(定番・王道)】
キッチンの背面や横に設ける最も一般的なタイプ。
「調理中にすぐ取り出せる」「在庫がひと目で分かる」といったメリットがあります。
💡 おすすめポイント:
・買い置き食材、調味料の収納に最適
・引き戸で隠せば生活感を出さない
・家事の“ながら動線”にピッタリ
⚠ 注意点:
キッチンの通路幅が狭い場合、パントリーの扉開閉が邪魔になることも。
→「引き戸」や「オープン棚」にすることで解消できます。
🚶♀️【タイプ②:玄関〜キッチン動線上に配置(買い物ラクラクタイプ)】
玄関近く、もしくは土間収納の延長としてパントリーを設けるプランです。
「スーパーから帰ってきた→靴を脱ぐ→すぐパントリーへ収納→キッチンへ」
という“買ってすぐしまえる動線”が実現。
💡 おすすめポイント:
・重たい荷物も最短距離で収納できる
・買い忘れ防止にも◎(通り道にあるため中身を把握しやすい)
・防災備蓄スペースとしても使える
⚠ 注意点:
キッチンから離れすぎると、調理中に取りに行くのが不便になるため、
「買い物収納用」と割り切る設計がおすすめ。
🍽【タイプ③:キッチン〜洗面の間に配置(家事ラク動線タイプ)】
家事を効率的に回したい方に人気なのが、
“家事動線の中”にパントリーを組み込むスタイル。
たとえば、
「キッチン → パントリー → 洗面室」や
「キッチン → ファミクロ → ランドリー」といったつながりです。
💡 おすすめポイント:
・まとめてストック収納(洗剤・ティッシュ・食品など)
・“家事動線”が短くなり、動きにムダがない
・家族全員が共有しやすい
⚠ 注意点:
湿気やニオイがこもらないように、換気や扉位置に配慮しましょう。
🏠【タイプ④:隠すパントリー(壁面一体型)】
キッチン横の壁面に“隠す収納”をつくるタイプ。
開けると棚になっているけど、閉めるとスッキリ見えるデザイン性の高いプランです。
💡 おすすめポイント:
・見た目が美しく、生活感を抑えられる
・通路型の家でも設置しやすい
・オープン+扉付きのハイブリッド型も人気
⚠ 注意点:
奥行きが深すぎると、奥のモノが取り出しにくい。
→ 奥行きは35〜45cmがベストバランスです。
◆3️⃣ 広さと収納計画の目安
「どれくらいの広さを取ればいいですか?」
という質問も多いですが、用途によって必要面積は変わります。
| 用途 | 広さの目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 食品ストック中心 | 約0.5〜1帖 | 片開きドアでもOK。日常使いの延長に。 |
| まとめ買い+日用品 | 約1.5〜2帖 | 可動棚を設け、家族みんなで使いやすく。 |
| 買い置き+家電収納 | 約2〜3帖 | 炊飯器・レンジ・トースターも置ける“第二キッチン”仕様に。 |
📍 POINT:
ただ“広ければ便利”ではなく、出入りしやすい幅と高さが重要です。
動線を邪魔しないことが“使いやすさの鍵”。
◆4️⃣ “便利”と“使いづらい”を分ける3つのポイント
💡【① 位置:キッチンから1〜2歩で届く距離】
動線が短ければ短いほど“続けやすい収納”。
特に料理中に片手で取りたい調味料や缶詰は、
キッチンとパントリーが横並びだとストレスがありません。
💡【② 見える収納:一目で在庫が分かる工夫】
パントリーで多い失敗が「何をどこにしまったか分からない」。
奥行きが深すぎる棚は、モノが隠れて“買いすぎ”の原因になります。
👉 棚の奥行きは30〜40cm程度に。
👉 カゴ収納+ラベル管理で“見える整理”を。
💡【③ 通風・換気:湿気とニオイ対策】
食品や日用品を保管する場所だからこそ、通気が大事。
換気扇や通気スリット、可動棚の隙間などで風を通しましょう。
また、ゴミ箱を併設する場合は、
消臭クロスや換気扇付きプランがおすすめです。
◆まとめ:パントリーは“広さ”より“位置”が命
「パントリーをつけたけど、思ったより使わない」
――その原因の多くは、“動線が合っていない”こと。
✨ 今日のまとめ:
✅ 広さより“出し入れのしやすさ”を重視する
✅ 玄関動線 or キッチン横、暮らし方で選ぶ
✅ 奥行き・通気性・扉の開き方まで意識する
パントリーは、暮らしを支える“見えない主役”。
毎日の買い物や料理が少しラクになるだけで、
暮らしの満足度はぐっと上がります。
アラカワホームデザインでは、
「使いやすさ」「動線」「収納量」の3つをバランス良く設計し、
それぞれのご家族に合った“リアルに使えるパントリー”をご提案しています。
まずはお気軽にLINE登録からお願いします。











