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【パントリーはどこにつける?】買い物→収納→調理、最短でつながる家事動線

2025.12.16

“便利”と“使いづらい”の分かれ道


こんばんは。

堺市の工務店で注文住宅を建てているアラカワホームデザインの吉川です。

◆はじめに:せっかくつくったのに「使いにくい」?

家づくりの打ち合わせで人気の設備ランキングに必ず入るのが、
**「パントリー(食品庫)」**です。

「たっぷり収納できる」
「まとめ買いしても安心」
「キッチンをスッキリ見せたい」

――そんな期待を持って採用されることが多い一方で、
実際に住んでから「動線が悪かった」「使わなくなった」という声も少なくありません。

なぜ“便利なはずのパントリー”が、使いづらく感じてしまうのか?
その原因は、**「位置」と「使い方の想定」**にあります。

今回は、アラカワホームデザインの設計士目線で、
パントリーを「本当に使える収納」にするための考え方と、
“便利”と“使いづらい”を分けるポイントを詳しく解説します。


◆1️⃣ パントリーとは?どんな役割のスペース?

そもそもパントリーとは、
キッチン周りの食材や日用品をストックしておく収納スペースのこと。

・缶詰、レトルト食品、調味料
・お菓子、飲料、保存容器
・非常食、キッチンペーパー、洗剤 など、
キッチン収納に入りきらないモノをまとめて保管できます。

つまり、「買い物の頻度を減らしたい」「まとめ買いをしたい」ご家庭ほど、
パントリーの恩恵を感じやすいスペースです。


◆2️⃣ パントリーの“位置”で使い勝手が変わる

パントリーの便利さは、広さではなく**“場所”で決まります。**

たとえ1帖でも、動線がスムーズなら驚くほど使いやすい。
逆に、3帖あっても出し入れが面倒なら“物置化”してしまいます。

では、実際にどんな配置があるのか見ていきましょう。


🏡【タイプ①:キッチン直結型(定番・王道)】

キッチンの背面や横に設ける最も一般的なタイプ。
「調理中にすぐ取り出せる」「在庫がひと目で分かる」といったメリットがあります。

💡 おすすめポイント:
・買い置き食材、調味料の収納に最適
・引き戸で隠せば生活感を出さない
・家事の“ながら動線”にピッタリ

注意点:
キッチンの通路幅が狭い場合、パントリーの扉開閉が邪魔になることも。
→「引き戸」や「オープン棚」にすることで解消できます。


🚶‍♀️【タイプ②:玄関〜キッチン動線上に配置(買い物ラクラクタイプ)】

玄関近く、もしくは土間収納の延長としてパントリーを設けるプランです。

「スーパーから帰ってきた→靴を脱ぐ→すぐパントリーへ収納→キッチンへ」
という“買ってすぐしまえる動線”が実現。

💡 おすすめポイント:
・重たい荷物も最短距離で収納できる
・買い忘れ防止にも◎(通り道にあるため中身を把握しやすい)
・防災備蓄スペースとしても使える

注意点:
キッチンから離れすぎると、調理中に取りに行くのが不便になるため、
「買い物収納用」と割り切る設計がおすすめ。


🍽【タイプ③:キッチン〜洗面の間に配置(家事ラク動線タイプ)】

家事を効率的に回したい方に人気なのが、
“家事動線の中”にパントリーを組み込むスタイル。

たとえば、
「キッチン → パントリー → 洗面室」や
「キッチン → ファミクロ → ランドリー」といったつながりです。

💡 おすすめポイント:
・まとめてストック収納(洗剤・ティッシュ・食品など)
・“家事動線”が短くなり、動きにムダがない
・家族全員が共有しやすい

注意点:
湿気やニオイがこもらないように、換気や扉位置に配慮しましょう。


🏠【タイプ④:隠すパントリー(壁面一体型)】

キッチン横の壁面に“隠す収納”をつくるタイプ。
開けると棚になっているけど、閉めるとスッキリ見えるデザイン性の高いプランです。

💡 おすすめポイント:
・見た目が美しく、生活感を抑えられる
・通路型の家でも設置しやすい
・オープン+扉付きのハイブリッド型も人気

注意点:
奥行きが深すぎると、奥のモノが取り出しにくい。
→ 奥行きは35〜45cmがベストバランスです。


◆3️⃣ 広さと収納計画の目安

「どれくらいの広さを取ればいいですか?」
という質問も多いですが、用途によって必要面積は変わります。

用途広さの目安特徴
食品ストック中心約0.5〜1帖片開きドアでもOK。日常使いの延長に。
まとめ買い+日用品約1.5〜2帖可動棚を設け、家族みんなで使いやすく。
買い置き+家電収納約2〜3帖炊飯器・レンジ・トースターも置ける“第二キッチン”仕様に。

📍 POINT:
ただ“広ければ便利”ではなく、出入りしやすい幅と高さが重要です。
動線を邪魔しないことが“使いやすさの鍵”。


◆4️⃣ “便利”と“使いづらい”を分ける3つのポイント


💡【① 位置:キッチンから1〜2歩で届く距離】

動線が短ければ短いほど“続けやすい収納”。
特に料理中に片手で取りたい調味料や缶詰は、
キッチンとパントリーが横並びだとストレスがありません。


💡【② 見える収納:一目で在庫が分かる工夫】

パントリーで多い失敗が「何をどこにしまったか分からない」。
奥行きが深すぎる棚は、モノが隠れて“買いすぎ”の原因になります。

👉 棚の奥行きは30〜40cm程度に。
👉 カゴ収納+ラベル管理で“見える整理”を。


💡【③ 通風・換気:湿気とニオイ対策】

食品や日用品を保管する場所だからこそ、通気が大事。
換気扇や通気スリット、可動棚の隙間などで風を通しましょう。

また、ゴミ箱を併設する場合は、
消臭クロスや換気扇付きプランがおすすめです。


◆まとめ:パントリーは“広さ”より“位置”が命

「パントリーをつけたけど、思ったより使わない」
――その原因の多くは、“動線が合っていない”こと。


今日のまとめ:

✅ 広さより“出し入れのしやすさ”を重視する
✅ 玄関動線 or キッチン横、暮らし方で選ぶ
✅ 奥行き・通気性・扉の開き方まで意識する


パントリーは、暮らしを支える“見えない主役”。
毎日の買い物や料理が少しラクになるだけで、
暮らしの満足度はぐっと上がります。

アラカワホームデザインでは、
「使いやすさ」「動線」「収納量」の3つをバランス良く設計し、
それぞれのご家族に合った“リアルに使えるパントリー”をご提案しています。

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