COLUMN コラム
【ペットと暮らす家】
階段下・床材・動線で考える“わんちゃん目線設計”
こんばんは。
堺市の工務店で注文住宅を建てているアラカワホームデザインの吉川です。
◆はじめに:家族の一員だからこそ、住まいも“いっしょに快適”に🐾
「犬が滑らない床にしたい」
「ケージを置く場所に悩んでいる」
「散歩のあと、すぐ足を洗えるようにしたい」
近年、“ペットと暮らす家づくり”を希望されるお客様が増えています。
特にわんちゃんを飼うご家庭では、
家族の一員として一緒に過ごす時間をより快適にする工夫が求められています。
でも実際の打ち合わせでは、
「ペット仕様ってどんなことをすればいいの?」
「人間中心の設計とどう違うの?」
という質問も少なくありません。
そこで今回は、建築目線で考える「わんちゃん目線の家づくり」について、
階段下・床材・動線・快適温度といった観点からわかりやすく解説していきます。
◆1️⃣ 床材選びは“滑らない+お手入れしやすい”が基本
わんちゃんにとって床の素材は、人が思う以上に大切なポイントです。
一般的なフローリングは見た目が美しく掃除もしやすいですが、
表面がツルツルしていて滑りやすいという弱点があります。
滑る床は、関節や腰を痛める原因にもなります。
🦴【おすすめ床材①:ペット対応フローリング】
近年は、各メーカーから“ペット対応”の床材が登場しています。
表面に滑り止め加工がされており、爪による傷もつきにくい仕様。
💡 例えば、LIXILの「ラシッサ Dフロア ペット」やDAIKENの「ワンラブフロア」などは、
・滑りにくい
・傷がつきにくい
・おしっこなどの汚れに強い
という特徴があり、デザインも豊富。
🪵【おすすめ床材②:クッションフロア】
滑りにくく、柔らかい感触が特徴。
歩行音も軽減できるため、小型犬には特におすすめ。
ただし、熱に弱い素材もあるため、床暖房を併用する場合は対応商品を選びましょう。
🧽【おすすめ床材③:タイル】
玄関まわりや水まわりに多く使われるタイルも、
滑り止め加工のあるタイプを選べば実用的。
汚れてもサッと拭けて衛生的です。
📍 ポイント:
“デザイン性よりも機能性重視”で考えるのがわんちゃん目線設計の第一歩です。
◆2️⃣ 階段下は“隠れ家”にも“お世話スペース”にもなる
階段下のデッドスペースは、
わんちゃんの落ち着ける“マイスペース”として最適です。
🐕【活用例①:わんちゃんの専用ハウスに】
階段下にケージやベッドを置くことで、
人の目線が届きつつも“自分だけの居場所”をつくることができます。
アーチ型の開口やニッチ照明をつけると、
見た目も可愛らしくインテリアの一部に。
💡 POINT:
・風通しを良くする(換気口や小窓を)
・掃除しやすい床材に(タイル・クッションフロア)
・コンセントを設けて照明や空気清浄機も使えるように
🐶【活用例②:お世話スペースに】
階段下に収納棚をつくり、リード・お手入れ用品・フードなどをまとめておくと便利。
リビングや玄関近くなら、散歩動線もスムーズになります。
また、近年は“洗面横の階段下”を使って
わんちゃん用のシャンプースペースを設けるケースも増えています。
(例:浅めの洗い場+シャワー付き水栓)
◆3️⃣ 動線設計は“散歩→洗う→リビング”がスムーズに
朝夕のお散歩から帰ってきたあと、
「玄関で足を拭いて、抱っこして、洗面所に連れていく…」
これ、実はけっこう大変なんです。
そこでおすすめなのが、“ただいま動線”の中にペットのケア動線を組み込むこと。
🚶♀️【理想的な動線例】
玄関(タイル土間)
↓
手洗い・足洗いスペース(洗面・流し台)
↓
リビング(床材は滑りにくい素材)
このように設計することで、
汚れを家の中に持ち込まずにスムーズにお手入れが完結します。
さらに、玄関→洗面→ファミリークローゼットという
人の動線と連動させると、家全体の効率もアップ。
“人も犬もストレスのない動線”になります。
💧【足洗い場のポイント】
・高さは30〜40cm程度(小型犬なら腰をかがめず洗いやすい)
・シャワー水栓+お湯対応で冬も快適
・床材はノンスリップタイル+排水勾配をとる
※屋外に設ける場合は、雨風対策や水はね防止パネルもおすすめ。
◆4️⃣ 室温と空気環境も“人と同じくらい大切”
わんちゃんは床に近い位置で過ごすため、
人よりも“床付近の温度”に敏感です。
特に夏場の床の熱気、冬場の冷気は体調に影響することも。
🌡️【温度・湿度の目安】
・夏:25〜28℃/湿度40〜60%
・冬:18〜22℃/湿度40〜50%
🌀【おすすめ対策】
- 床暖房+樹脂サッシで冬の冷気をカット
- 第一種換気(熱交換)で空気の質を保つ
- 天井ファンで空気の循環をサポート
特に樹脂サッシ+Low-Eガラスの採用は、
外気温の影響を受けにくく、ペットにも優しい環境づくりに効果的です。
◆5️⃣ インテリアも“ペットと共存”がキーワード
ペットと暮らす家では、デザインと機能性の両立も大切。
🐾 例えば…
- ソファ下に潜らない高さにする
- ダイニング椅子は脚細タイプよりも安定感のある形を
- 壁紙は汚れが落としやすい“撥水クロス”に
また、リビングの一角に“ペットグッズ専用収納”を設けることで、
見た目もスッキリ保てます。
◆まとめ:わんちゃんの“快適”が、家族の“快適”になる
家づくりで「ペットも快適に」と考えることは、
実は**“人の暮らしをより豊かにする設計”**にもつながります。
✨ 今日のまとめ:
✅ 滑らない・傷つきにくい床材を選ぶ
✅ 階段下や一角に“居場所”をつくる
✅ 散歩動線+足洗い場を設計に組み込む
✅ 温度・空気環境にも配慮する
ペットと人がストレスなく暮らせる家は、
“設計段階でペット目線を取り入れた家”。
アラカワホームデザインでは、
「家族も、わんちゃんも快適に過ごせる空間づくり」をテーマに、
床材・照明・動線までトータルでサポートさせていただきます。
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