COLUMN コラム

建築目線で選ぶ土地探し

2025.11.18

“建てたい家”が建つ土地を見極める方法

こんばんは。

堺市の工務店で注文住宅を建てているアラカワホームデザインの吉川です。


🏠 はじめに:土地探しの“落とし穴”とは

「いい土地が見つかったから、家づくりをお願いしたい」
——そう言って来られるお客様の中には、
実は“希望の家が建てられない土地”を契約してしまっているケースも少なくありません。

たとえば:

  • 法規制で2階が建てられない
  • 北側斜線制限で希望の間取りが入らない
  • インフラが整っておらず、追加費用が発生する

土地は“家を建てるための土台”であり、
建築の視点を欠くと、設計にもコストにも影響が出てしまいます。

今回は、堺市を中心に注文住宅を手がけるアラカワホームデザインが、
“建築目線での土地探し”の考え方と、見落としがちなチェックポイントを解説します。


🧭 建築目線の土地探しとは?

一般的な不動産会社の土地探しは、
「立地・価格・広さ・形」で判断することが多いですが、
建築会社が行う土地探しは、**「建てたい家が建つかどうか」**を重視します。

同じ30坪でも、
・道路の向き
・高低差
・法規制(建ぺい率・容積率・斜線制限)
・上下水道・電気・ガスの引込状況
によって、建てられる家のボリュームが全く違うのです。


🏗 建築目線で見るべき6つのポイント

①【法規制】用途地域・建ぺい率・容積率を確認

土地によって建てられる建物の大きさ・高さ・用途が決まっています。

  • 建ぺい率:敷地に対して建物が建てられる面積
  • 容積率:延床面積の上限
  • 用途地域:住宅・商業・工業などエリアの目的

📍たとえば:
・建ぺい率50%・容積率80%の土地では、
 30坪の敷地に延床24坪程度しか建てられません。

→ 広い家を望むなら、法規制から逆算して土地を選ぶことが大切です。


②【地盤と高低差】

造成されたばかりの土地や傾斜地では、
地盤改良費や擁壁工事費がかかることがあります。

例:
・地盤が軟弱 → 改良費が50〜100万円
・高低差あり → 擁壁・階段・土留め工事が必要

建築士が同行すれば、
「この土地なら追加で〇〇万円くらいかかる」
という現実的な予測ができます。


③【接道条件】

建築基準法では、幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建築不可です。

見落としがちなポイント:

  • “通路っぽい私道”が共有名義でトラブルの原因に
  • “セットバック”が必要で、実質的に敷地が狭くなる

建築会社なら、接道条件から建築確認の可否をその場で判断できます。


④【日当たり・通風・眺望】

南向き=良い土地とは限りません。

建築士は、建物の配置と窓の取り方で日当たりを設計します。
たとえば:

  • 北向きの土地でも中庭や吹き抜けで明るくできる
  • 東向きの土地は朝日が入りやすく、共働き家庭に好評

「方角で選ぶ」よりも、「設計で解決できるか」を判断するのが建築目線です。


⑤【インフラ・ライフライン】

・水道管の引き込みがない
・ガスがプロパンのみ
・排水が合流式で費用追加
など、土地の“見えないコスト”がかかる場合もあります。

特に中古住宅付きの土地では、古い配管が再利用できないことも多く、
解体時に予算オーバーとなるケースも。


⑥【近隣環境と将来性】

目の前が空き地でも、数年後に3階建てが建つ可能性もあります。
建築士は「道路斜線」「隣地境界」「建物の高さ制限」などから、
将来的な日当たり・プライバシーの変化を想定します。


📐 建築目線で土地を探す流れ

① ヒアリング(希望の間取り・生活動線)
② 予算バランスの確認(土地+建物+諸費用)
③ 建築士同行で現地チェック ※場合によって変わります
④ プラン提案+概算見積
⑤ 土地契約前の法規確認・インフラ確認(※設計契約は必要になります)

この流れを踏むことで、「建てたい家が建たない」という失敗を防げます。


✨ まとめ:土地探しは“家づくりの一部”

土地は「買って終わり」ではなく、「家を建てるためのスタート」。

📌 建築目線の土地探しのポイント

  • 見た目より“法規制とコスト”を重視
  • 形の悪い土地ほど設計で活かせる
  • 建築士と一緒に見ることで“隠れた良地”が見つかる

アラカワでは土地探しから建築目線でサポートします!

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