COLUMN コラム

各階に洗面・トイレは必要?

2025.11.11

設計者が教える“快適動線とコストバランス”の正解

こんばんは。

堺市の工務店で注文住宅を建てているアラカワホームデザインの吉川です。

🏠 はじめに:洗面・トイレの配置が“暮らしやすさ”を左右する

間取りの打ち合わせで意外と悩まれるのが——
「2階にもトイレと洗面をつけるべきか?」という質問です。

1階にあれば十分、と思いがちですが、実際に住んでみると

「夜にトイレへ降りるのが面倒」
「2階の子ども部屋で身支度するとき、洗面があると便利」
といった声が多く聞かれます。

一方で、

「掃除の手間が2倍になる」
「費用を抑えたいから1か所でいい」
という考え方もあり、設計者としても“ライフスタイルとのバランス”が非常に重要なポイントです。

今回は、堺市を中心に注文住宅を手がけるアラカワホームデザインが、
プロの視点で「各階に洗面・トイレを設けるメリット・デメリット」と、
“設計的な考え方”を解説します。


🚾 各階にトイレ・洗面を設けるメリット

💡 メリット①:生活動線が短く、ストレスが減る

最も大きいのは、動線の短縮です。

  • 朝の支度で洗面が混雑しない
  • 夜中のトイレで階段を使わなくて済む
  • 寝室や子ども部屋が2階の場合、上下移動が不要

特に共働き・子育て世帯では、時間帯が重なる「朝・夜」に動線の短さが快適さを左右します。

👉 例:
・1階に洗面+脱衣室、2階にセカンド洗面
・1階に来客用トイレ、2階に家族用トイレ
といった分け方が人気です。


💡 メリット②:来客時にプライベート空間を守れる

1階にトイレしかない場合、
来客中に家族が使いにくくなることも。

2階にもう1つあると、
「来客用と家族用を分けられる」ため、生活感を見せずにすみます。

また、2階洗面は「手洗い」「歯磨き」「軽いメイク」などの身支度用にも便利。
お子様が成長してもプライベートを確保できます。


💡 メリット③:老後や夜間の安全性が上がる

将来的に寝室を2階に設けている場合、
夜間のトイレ移動が危険になることもあります。

高齢になると階段の昇降が難しくなるため、
“寝室と同じ階にトイレがある”というのは大きな安心感です。


💡 メリット④:2階の空間利用がしやすくなる

トイレや洗面は構造上コンパクトにまとめやすいため、
廊下や収納の一角に設けることができます。

空間を有効活用すれば、延床面積をほとんど増やさずに実現可能。
最近では「2階ホールに小型洗面+トイレ」をセットで配置するケースも増えています。


⚠️ 各階設置のデメリットと注意点

🚧 デメリット①:コストアップ(約20〜40万円前後)

トイレ・洗面を1か所増やすと、
・給排水設備費
・電気・換気工事費
・仕上げ(内装・建具)
などが追加となり、20〜40万円前後のコストアップになります。

加えて、設備のグレードを上げれば上げるほど費用も比例します。
「どの程度の機能が必要か」を明確にして選ぶことが大切です。


🧽 デメリット②:掃除・メンテナンスが2倍になる

当然ながら、2か所ある分、清掃の手間も増えます。
特にトイレは使用頻度にかかわらず、定期的な清掃と換気が必要。

💡 対策としては、
・2階は“来客非対応の簡易トイレ”にする
・2階洗面は“ミニボウル+鏡のみ”にする
といった設計バランスで手間を最小限に抑えられます。


💧 デメリット③:配管経路と防音の配慮が必要

給排水のルート設計を誤ると、
2階トイレの排水音が1階リビングに響く…というケースも。

設計段階で、配管位置と遮音材の配置を意識することがポイントです。
また、給湯器との距離が遠いと“お湯の出が遅い”問題も発生します。


🏡 アラカワが提案する「各階トイレ・洗面の設計パターン」

✅ パターン①:家族分散型(1階:来客用/2階:家族用)

来客が多い・家族の人数が多いご家庭におすすめ。
1階トイレは見せても良いデザインに、2階は使いやすさ重視で。

例:1階→タンクレス+間接照明
  2階→コンパクトタンク付き+収納一体型


✅ パターン②:動線一体型(2階洗面+ファミリークローク)

「洗う→干す→たたむ→しまう」をワンフロアで完結。
洗面横に収納スペースを併設し、朝の身支度もスムーズに。

→ 2階ホールや寝室横にセカンド洗面を設けると“朝の渋滞”が解消されます。


✅ パターン③:将来対応型(1階寝室+2階洗面)

将来、寝室を1階に移すことを前提に、
2階にも洗面・トイレを準備しておく“長期目線”の設計。

リフォームせずに生活動線を切り替えられるのがメリットです。


📊 比較で見る!設置の「コストと利便性バランス」

項目1階のみ各階設置
コスト◎抑えられる△+20〜40万円程度
掃除手間◎少ない△やや増える
動線の短さ△階段移動あり◎どこでもすぐ使える
来客対応△家族と共用◎使い分けできる
将来対応△階段がネック◎安心して長く暮らせる

🧱 設計者からのアドバイス

「各階にトイレ・洗面をつけるべきか?」
——正解は“その家族の生活リズム”次第です。

☑ 夜間トイレに行くことが多い
☑ 朝の支度が重なって混み合う
☑ 将来的に2世帯や同居を考えている

こうした条件に1つでも当てはまるなら、
各階設置は“将来の快適さ”への投資と考えるのが良いでしょう。

逆に、
☑ 平屋やコンパクトな間取り
☑ 掃除負担を最小限にしたい
☑ 費用をできるだけ抑えたい
という方は、1階に集約する方が合理的です。


✨ まとめ:家族の“動線の未来”を描くことが最優先

洗面・トイレは、家づくりの中でも“毎日使う空間”。
だからこそ、「今の生活」だけでなく「10年後の生活」まで見据えた計画が大切です。

🏡 各階設置のメリットは、“ラクさ”と“安心感”
掃除やコストを上回る満足度を感じる方が多いのも事実です。

アラカワホームデザインでは、
動線・性能・コストをトータルで考え、
「今も未来も暮らしやすい家」をご提案しています。

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