COLUMN コラム
各階に洗面・トイレは必要?
設計者が教える“快適動線とコストバランス”の正解
こんばんは。
堺市の工務店で注文住宅を建てているアラカワホームデザインの吉川です。
🏠 はじめに:洗面・トイレの配置が“暮らしやすさ”を左右する
間取りの打ち合わせで意外と悩まれるのが——
「2階にもトイレと洗面をつけるべきか?」という質問です。
1階にあれば十分、と思いがちですが、実際に住んでみると
「夜にトイレへ降りるのが面倒」
「2階の子ども部屋で身支度するとき、洗面があると便利」
といった声が多く聞かれます。
一方で、
「掃除の手間が2倍になる」
「費用を抑えたいから1か所でいい」
という考え方もあり、設計者としても“ライフスタイルとのバランス”が非常に重要なポイントです。
今回は、堺市を中心に注文住宅を手がけるアラカワホームデザインが、
プロの視点で「各階に洗面・トイレを設けるメリット・デメリット」と、
“設計的な考え方”を解説します。
🚾 各階にトイレ・洗面を設けるメリット
💡 メリット①:生活動線が短く、ストレスが減る
最も大きいのは、動線の短縮です。
- 朝の支度で洗面が混雑しない
- 夜中のトイレで階段を使わなくて済む
- 寝室や子ども部屋が2階の場合、上下移動が不要
特に共働き・子育て世帯では、時間帯が重なる「朝・夜」に動線の短さが快適さを左右します。
👉 例:
・1階に洗面+脱衣室、2階にセカンド洗面
・1階に来客用トイレ、2階に家族用トイレ
といった分け方が人気です。
💡 メリット②:来客時にプライベート空間を守れる
1階にトイレしかない場合、
来客中に家族が使いにくくなることも。
2階にもう1つあると、
「来客用と家族用を分けられる」ため、生活感を見せずにすみます。
また、2階洗面は「手洗い」「歯磨き」「軽いメイク」などの身支度用にも便利。
お子様が成長してもプライベートを確保できます。
💡 メリット③:老後や夜間の安全性が上がる
将来的に寝室を2階に設けている場合、
夜間のトイレ移動が危険になることもあります。
高齢になると階段の昇降が難しくなるため、
“寝室と同じ階にトイレがある”というのは大きな安心感です。
💡 メリット④:2階の空間利用がしやすくなる
トイレや洗面は構造上コンパクトにまとめやすいため、
廊下や収納の一角に設けることができます。
空間を有効活用すれば、延床面積をほとんど増やさずに実現可能。
最近では「2階ホールに小型洗面+トイレ」をセットで配置するケースも増えています。
⚠️ 各階設置のデメリットと注意点
🚧 デメリット①:コストアップ(約20〜40万円前後)
トイレ・洗面を1か所増やすと、
・給排水設備費
・電気・換気工事費
・仕上げ(内装・建具)
などが追加となり、20〜40万円前後のコストアップになります。
加えて、設備のグレードを上げれば上げるほど費用も比例します。
「どの程度の機能が必要か」を明確にして選ぶことが大切です。
🧽 デメリット②:掃除・メンテナンスが2倍になる
当然ながら、2か所ある分、清掃の手間も増えます。
特にトイレは使用頻度にかかわらず、定期的な清掃と換気が必要。
💡 対策としては、
・2階は“来客非対応の簡易トイレ”にする
・2階洗面は“ミニボウル+鏡のみ”にする
といった設計バランスで手間を最小限に抑えられます。
💧 デメリット③:配管経路と防音の配慮が必要
給排水のルート設計を誤ると、
2階トイレの排水音が1階リビングに響く…というケースも。
設計段階で、配管位置と遮音材の配置を意識することがポイントです。
また、給湯器との距離が遠いと“お湯の出が遅い”問題も発生します。
🏡 アラカワが提案する「各階トイレ・洗面の設計パターン」
✅ パターン①:家族分散型(1階:来客用/2階:家族用)
来客が多い・家族の人数が多いご家庭におすすめ。
1階トイレは見せても良いデザインに、2階は使いやすさ重視で。
例:1階→タンクレス+間接照明
2階→コンパクトタンク付き+収納一体型
✅ パターン②:動線一体型(2階洗面+ファミリークローク)
「洗う→干す→たたむ→しまう」をワンフロアで完結。
洗面横に収納スペースを併設し、朝の身支度もスムーズに。
→ 2階ホールや寝室横にセカンド洗面を設けると“朝の渋滞”が解消されます。
✅ パターン③:将来対応型(1階寝室+2階洗面)
将来、寝室を1階に移すことを前提に、
2階にも洗面・トイレを準備しておく“長期目線”の設計。
リフォームせずに生活動線を切り替えられるのがメリットです。
📊 比較で見る!設置の「コストと利便性バランス」
| 項目 | 1階のみ | 各階設置 |
|---|---|---|
| コスト | ◎抑えられる | △+20〜40万円程度 |
| 掃除手間 | ◎少ない | △やや増える |
| 動線の短さ | △階段移動あり | ◎どこでもすぐ使える |
| 来客対応 | △家族と共用 | ◎使い分けできる |
| 将来対応 | △階段がネック | ◎安心して長く暮らせる |
🧱 設計者からのアドバイス
「各階にトイレ・洗面をつけるべきか?」
——正解は“その家族の生活リズム”次第です。
☑ 夜間トイレに行くことが多い
☑ 朝の支度が重なって混み合う
☑ 将来的に2世帯や同居を考えている
こうした条件に1つでも当てはまるなら、
各階設置は“将来の快適さ”への投資と考えるのが良いでしょう。
逆に、
☑ 平屋やコンパクトな間取り
☑ 掃除負担を最小限にしたい
☑ 費用をできるだけ抑えたい
という方は、1階に集約する方が合理的です。
✨ まとめ:家族の“動線の未来”を描くことが最優先
洗面・トイレは、家づくりの中でも“毎日使う空間”。
だからこそ、「今の生活」だけでなく「10年後の生活」まで見据えた計画が大切です。
🏡 各階設置のメリットは、“ラクさ”と“安心感”
掃除やコストを上回る満足度を感じる方が多いのも事実です。
アラカワホームデザインでは、
動線・性能・コストをトータルで考え、
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