COLUMN コラム
趣味の時間を大切にする家づくりとは?

趣味の時間を大切にする家づくりとは?
趣味とは、日常のストレスから解放され、自分自身と向き合うかけがえのない時間です。その「趣味の時間」を暮らしの中でどう確保するか、という視点からの家づくりが、近年注目を集めています。単なる間取り設計ではなく、ライフスタイルや感性、価値観にまで寄り添った「趣味を楽しむための家づくり」が、これからの住まいのスタンダードになると言えるでしょう。
趣味に没頭できる空間設計のポイント
1. 専用スペースの確保
趣味には音楽、読書、映画鑑賞、ガーデニング、DIY、手芸、キャンプ道具のメンテナンスなど、多種多様なスタイルがあります。それぞれに求められる空間の条件が異なるため、以下のような設計配慮が重要です。

- 音楽室やシアタールーム:防音性の高い建材、遮音扉、吸音パネルの活用。
- 読書スペース:自然光が入る窓辺、壁面収納付きの書斎、静けさを保つ位置。
- ガレージ併設のDIY空間:コンプレッサーや工具が使えるようなコンセント配置、耐久性のある床材、防塵仕様。
2. 家事動線と趣味のバランス
趣味の時間を生み出すには、家事や生活動線を効率的に整えることがカギです。たとえば…

- キッチン〜洗面〜ランドリールームの直線動線
- 玄関から趣味部屋まで土間続きの動線でアウトドア道具の出し入れがスムーズ
- 室内干し可能な洗濯動線で時短・省力化
このように「時間を生み出す」家事動線が、趣味を楽しむための土台になります。
趣味と暮らしをつなぐ空間演出
アウトドアリビングの導入
コロナ禍を経て、自宅の庭やテラスにリラックス空間を設ける人が増えています。木製デッキやタープ、薪ストーブなどを取り入れた「アウトドアリビング」は、キャンプや焚火、家庭菜園などの趣味と密接に結びつきます。外との緩やかなつながりを感じる空間は、精神的な安らぎも与えてくれます。
趣味部屋+αの使い方
たとえば「趣味部屋×在宅ワークスペース」の兼用設計や、「趣味部屋×ゲストルーム」など、機能を融合させるアイデアも有効です。限られた床面積の中で多機能に使える設計が、より現実的で満足度の高い家づくりにつながります。
家族の趣味を活かした家づくり事例
事例①:BBQができるセカンドリビングにもなる中庭

- LDKからタイルデッキへと続く一体空間
- キッチンから庭が見渡せる設計で「外時間」との一体感
事例②:奥様の趣味のセルフネイルもできるスペース

- LDKの空間に設けることで色々な用途に使える
- 考えた照明計画
「趣味=贅沢」ではない。家づくりにこそ組み込むべき価値
趣味の時間は、単なる遊びや気晴らしではありません。それは「自分らしくある」ための最も大切な時間であり、その価値は計り知れません。だからこそ、設計段階から「どんな時間を、どんな場所で過ごしたいか」を真剣に考えることが、豊かな暮らしへの第一歩です。
また、将来ライフスタイルが変化しても柔軟に対応できるように、可変性を持たせた設計も重要です。「趣味→育児→在宅ワーク→介護」など、家族の時間の使い方は変化していきます。そんな未来を見据えたプランニングが、住まいを長く快適に保ちます。
まとめ:趣味の時間を設計に取り込む、豊かで個性的な住まいづくり
「趣味の時間 家づくり」というテーマは、現代の暮らしに欠かせないキーワードです。人生100年時代、自分の好きなことに向き合う時間を持てる住まいこそが、真の意味での「豊かな家」と言えるでしょう。
趣味を中心に設計された家は、住む人の心を癒し、人生に活力を与えます。間取りや性能だけでなく、「時間の使い方」まで設計する家づくりを、これからのスタンダードとして、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
株式会社アラカワ
住宅アドバイザー 田中